中高一貫(六年制普通科)

研究成果発表

平成27年度

「第九回全日本高校模擬国連大会」選抜出場

2015年11月14日(土)~15日(日)、東京の国連大学において、第九回全日本高校模擬国連大会が開催されました。模擬国連とは、国連会議のシミュレーションを通じて、現代の世界におけるさまざまな課題について学ぶための教育プログラムです。本大会には、過去最多となる136校(203チーム)の応募の中から80チームが選抜され、本校からは2チームが出場しました。この結果、今年で4年連続、8回目の出場となりました。

議 題:移民(International Migration)
高水Aチーム担当国:メキシコ
六年制普通科1年 小山 亜利紗 松永 希子
高水Bチーム担当国:ルーマニア
六年制普通科2年 佐崎 元子  山本 康太
引率教諭:池田 辰之

Model United Nations六年制普通科1年 小山亜利紗

 高校生模擬国連大会は私の人生の中で一番の大きな舞台でした。
 模擬国連については、中六合同発表会でみた先輩方のプレゼンテーションから興味を持ち始めました。しかし当初、模擬国連を、「全国の成績優秀者が集まって難しい議論を交わす自分とはかけ離れたイベント」だと感じていたので、参加したいと思っても一歩踏み出せずにいました。中学3年生のとき先輩に声を掛けられたことが単純に嬉しくて、私でも東京に行けるかもしれない、という自分自身への期待から参加を強く望むようになりました。先輩方が残した去年の膨大な資料を見て、自分にこんな努力が出来るだろうかと不安に思いました。1次選考に受かり、校門前の横断幕に自分の名前が張り出され、たくさんの人に「おめでとう」と声を掛けられたときも、全く実感が湧かなかったことを覚えています。限られた時間の中でパートナーと話し合いを重ね、リサーチを繰り返し、調べては逆戻りの永遠ループの中で頭を何度も悩ませました。そして迎えた本番では、自分の知識の甘さと強豪校のレベルの高さを痛感し、また言葉では表せない程の良い刺激をたくさん受けることができました。また、自分の長所を改めて認識できる好機になったように思います。
 もし「変わりたい」「違う景色が見たい」と少しでも思う人がいるのなら、その人にとってこの大会は実に価値のあるものになるはずです。今大会を通して、挑戦しない毎日ほどくだらないものはないと私は悟りました。来年、また同じ場所に立つために、私はこれからの1年を決して無駄にしたくはないと強く思っています。

挑戦することの大切さ六年制普通科1年 松永希子

 私は今回の模擬国連をきっかけに、自分を変えたい、殻を破りたいと思っていました。そんな中、私が一番感じたことは、何もしなければ何も変わらない、ということです。自らアクションを起こして、それがどんな結果であったとしても、行動を起こさずに何の変化もなく後悔するのはつまらないです。失敗でも成功でも中途半端だったとしても、その経験は必ず未来の自分に繋がると思います。新しいことに挑戦するのは、怖いし迷いもあることでしょう。実際、初めての模擬国連で、私は右も左も分からず不安でいっぱいでした。やろうとしていることが本当に合っているのか、自信を持てなくなる時もありました。それでも一歩を踏み出す勇気が大切です。その勇気を出せるようにするためには、努力が必要です。模擬国連を迎えるにあたって私たちなりに精いっぱいの準備はしてきたものの、相手に言い返されたら言葉が詰まってしまったり、知識量の甘さから悔しい思いをしたり、まだまだ努力不足だなと感じさせられました。努力はどんなにどんなに頑張っても尽きないものだと思いました。私はたくさんの刺激をうけてきました。そして先の人生において、自分自身の変化のために不可欠なことも学んできました。これはチャレンジしたから分かったことです。これからは、迷ったら前に進んでいきたいです。

全日本高校模擬国連大会に参加して六年制普通科2年 佐崎元子

 「模擬国連どうだった?」と大会が終わった後に色々な人から聞かれました。私はそのたびに「楽しかった。」と答えました。大会までの準備作業、リサーチは想像以上に量が多くて何度も投げ出したくなりましたし、大会の二日目には、自分は何もできなくてその他の中の一人になっていたと自覚もしています。それでも私が楽しかったと思う理由は、新しい経験ができたからです。学校の中だけではできない経験を。それは、スーパー高校生との出会い、国の大使として交渉をすること、膨大な量の資料を読むことなどです。模擬国連に出場する高校生は、英語が流暢に話せたり、グループをまとめているにもかかわらず、会議全体の動きに気を配っていたりして、「同じ高校生でもこんなに差があるのか。」と、交渉していく中で、私は実感しました。それを実感できたこともいい経験だったと感じています。模擬国連で経験したことを将来の糧にしたいです。

第九回全日本高校模擬国連大会 第九回全日本高校模擬国連大会 第九回全日本高校模擬国連大会 第九回全日本高校模擬国連大会

「心の中に平和」エッセイ・作文コンクール

募集内容
自らの体験から「心の中に平和」を感じたり、考えた内容の未発表の作文
・ユネスコの世界寺子屋運動(識字教育)・世界遺産活動・持続可能な開発のための 教育の10年など、平和にかかわる活動を通しての考え
・ボランティア活動 募金やチャリティー、福祉や奉仕体験を通しての考え
・平和学習を通じての体験、これから自分たちのできる活動についての考え
・スポーツマンシップ、芸術・伝統活動を通しての考え
・環境問題・国際問題・社会問題等の公民活動を通じての考え
・家庭や学校、地域社会で安全・安心等のコミュニティ活動を通しての考え

主催 松山ユネスコ協会

松山ユネスコ協会長賞

異文化交流で見つけた平和六年制普通科 2年 山本 咲妃

 もうすぐ終戦70周年、8月15日だ。最近、戦争についての番組やドラマがすごく多く放送されているような気がする。私はその中で興味を持ったドラマ、『レッドクロス~女たちの赤紙~』を見た。
このドラマは1931年、1人の女性が従軍看護婦となって満州に渡り、人々を治療するドラマだ。このドラマを見て私がまず思ったことは、戦争はもう二度としてはいけないということだ。戦争によって夫を失い、子供と生き別れていく物語にすごく心を痛めた。そして、自分の利益のために、人の命を簡単に奪ったり、人の物を奪ったりする場面を見ると、本当に悲しくなった。中でも、「中国人だから治療してはいけない!」と命令されているシーンがすごく心に残った。たとえ中国人でも同じ人間だし、その人にも大切な家族がいるのだと思うと、治療するべきだ!と私は思った。しかし当時の世界の状況ではそのようなことは決して許されなかった。だからもう二度と戦争はしてはならないと思った。
私はこのドラマを見た数日後、スカウトジャンボリーで海外の同じくらいの年齢の人と交流をした。私のバディは台湾人の女の子だった。その子は本当に優しくて、私の全然上手でない英語もすごく頑張って聞いてくれて、本当に嬉しかった。その時、この前見たドラマを思い出した。同じ中国人。そのドラマで見たように中国語を話す人々。その人たちと今、自分たちは目の前で笑い合っている。70年前、互いの民族が命を奪い合っていたなんて、本当に信じられないように思った。そして、今、日本は戦争をしていなくて本当に良かったと心から思った。もし戦争をしていたら、このような交流会は開けなかったし、互いに決して出会うことはなかったと思う。 時々ニュースで『反日』という言葉を耳にする。それを聞いた日本人の中には、中国人を良く思っていない人もいるかもしれない。だが、私は思わない。前に広島であった研修会に行ったときに、中国人の方と会話する機会があった。その時も、すごく私に親切にしてくださって、本当にいい人だなと思った。そして今回の交流会で出会った台湾人の女の子も、すごく優しかった。ニュースだけで人や民族に偏見を持ってはいけない。本当に大切なことは、私たちがたくさんの人と交流をして、自分たちで考えることだと思った。これから先、ニュースを見たり人から聞いたことだけで、このような人々なんだ、と決めつけないようにし、自分たちと文化の違う人たちとたくさん交流し、お互いの考えを理解し合いたい。そのためにも、このような自分と異なる民族の人々とコミュニケーションをとれる機会を大切にしたい。